後藤新平を想う 
Sunday, August 11, 2013, 10:50 PM
で、中国東北部を最初に占領したのはロシアでした。日清戦争のあと、日本が三国干渉で清に返した遼東半島をちゃっかり租借。明治33年の義和団事件のあとも東北を占拠し続け、韓国では大韓帝国皇帝がロシアに頼る。これが日露戦争につながって行きます。日本のその後のやり方は、この前後のロシアの行動様式をお手本にするようなものだった、とも思われます。
しかして今、この東北部にはロシアのお土産がいっぱいで、日本のものはなし。同じ占領を行っても。

そりゃそうだよ。スターリンが日本を追い出してくれたんだから。とは言えるものの、いかにも日本のやり方は下手ではないかと思います。
少なくとも、後藤新平のような、文を前面にして武備を後ろに下げるような政策をとってこなかったということにも、相当な原因があるように思います。

モグラ叩きじゃないんですから、武備だけで人間を帰服させることはできません。憧れを持ってもらわなけりゃいけなかったのです(憧れを持ってくれている人もいますが)。
その辺り、最近は益々モグラ叩き的発想になっているように思います。

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★8月6日 
Tuesday, August 6, 2013, 09:52 PM
このところ色々な都合で中国、台湾を立て続けに訪問することになりました。
因みに、私は日本こそこの2つを取り持つ位置にあると思っています。それが本当の気宇壮大性です。

今、千代田区の永田町の一角にマンションが建てられています。そこには以前もマンションがあって、その一棟のオーナーは、台湾の人でした。ふとしたことから彼は私のクライアントになり、彼の死亡時、私は葬儀に列席しましたが、日本人は私だけで、あとは台湾人と大陸の人でした。
国民党の閻錫山につながる彼らにとっては、中国、台湾の交流がないその頃、日本だけが互いに会える共通の場所だったのです。
つまりは日本だけが彼らを取り持つことのできる場所でした。

時代は変わり、台湾は三通の政策を取り、今や観光地では、日本からのお客のバスが1台とすれば、大陸からのお客は3台も4台もです。この現実を私たちは忘れてはいけません。
ただそのことをきちんと把握すれば、日本がむしろ主導権を握る場があります。それには単なる親日云々といったステレオタイプの発想から抜け出すことが第一歩です。

で、とりあえず中国では色々なことがありました。ここのところの領土をめぐるトラブルから、かつて以上に日本に関心があることは事実で、経済的なマイナスもあるでしょう。しかし、日本のファンもたくさんいます。飛行機の隣に座った西安からの女子高生は、ここ3ヶ月間日本にホームステイしたそうですが、日本が大好きと言っていました。街中の公園で筆をふるって字を書いていたおじさんは、「中日友好」と大きな字で書いてくれました。

日本のマスコミの報道は実態とは相当にずれています。これからの台湾でも、もちろんディープな実態を見てきたいと思っています。

長崎原爆の日に。
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★7月31日 
Wednesday, July 31, 2013, 09:47 PM
久しぶりに学生と法廷傍聴をしました。学生さんは全て外人です。
刑事の法廷と民事の法廷とでは、尋問の手法が大違い。もっとも、小さな法廷の普通の刑事は民事とさほど違いません。

何が違うかというと、刑事はシナリオの棒読みみたいな尋問なのです。何しろ傍聴席が一杯で、皆から見られているものですから、検事はしっかりシナリオ状のものを作ってくる。それを読んでいるわけです。
あれじゃ真実の解明にはならないんじゃ、と思いました。

問題は、司法の世界でそれなりに優秀と思われている人たちの中にこうした傾向があることです。これは民事の巨大事件を扱う弁護士の中にも見られます。

要は、正解を出せ、という教育の成果でしょうか。
かつて、世界的に有名な大空のサムライ坂井三郎さんと何度も話をしていて、人間の社会というか、私の職業は、戦闘機のバトルの世界と同じだな、と思ったことがあります。縦横高さの三次元に時間という四次元目が加わり、それに意志力というものが加わる。
その中で瞬時に計算して次の手を出して行く。間違えたら修正する。そういうことで良いのであって、その方が総合的にみて良い結果になる。

学生の意見もそうでしたし、それが外人で、しかもクレバーなことに、ちょっと我が国の未来に危惧を覚えました。

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★7月6日 
Saturday, July 6, 2013, 11:18 PM
また少し開きました。ただいま、リニューアル中のせいです。
で、この間の話題は、エジプトの話など色々ありますが、1つ、武士道に関わるものとして、富士山の世界遺産登録があります。
私に言わせると、世界遺産になろうがなるまいが関係ないよ、と思っていたところ、事は意外な所に発展。

というのは、あれのおかげで富士講が見直され、御師などが再び見直されている、という報道があったからです。

御師は、富士講や伊勢信仰の、いわばお札を配ったり、参拝者の世話をしたりという役回りの役職ですが、新しい武士道の主唱者ともいうべき水戸黄門は、これを整序されないものとして嫌いました。何より、神仏習合であったり、伊勢という皇室の世界に庶民が入るのを嫌ったのです。

でも、お伊勢信仰という庶民の力を押しとどめる事はできませんし、富士信仰が復活するという事は、神仏習合になるという事です。
そしてこれは約1000年に渡る日本人の祖先の信仰のあり方そのものであったわけで、まさに先祖に帰るものです。

世界遺産登録という意外な事から、我々の先祖のあり方に目が開かれれば面白いなと思っています。

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★6月23日 
Monday, June 24, 2013, 12:55 AM
トルコとブラジルの騒動は、何日か前に書いたことを裏書しています。

オリンピックなんかよりも大事なものがある、という当たり前のことを言っているトルコの青年の言葉に共感を覚えました。

ブラジルにしても、元々お金がないことを前提に、誰でもどこでもできるサッカーが強くなったのに、ちょっとお金ができたからとて、豪華スタジアムではやりきれない人も出てくるでしょう。

トルコの沈黙の抗議も考えさせられます。自由のための戦い方の一つとして。

こんな具合に色々なところで怒りが爆発している今、日本では、むしろ自由があって、色々な不正があることにアクセスできる社会なのに、国民はちっともそれを知ろうともせず、是正する動きや投票に向かわず、いわばポピュリズムで大きく振れる。
極めて不健全な姿ではないか、という気がします。

世界的見地から色々なことを考える。 「東方からの見聞録」
http://kamura-lu.jp/


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★6月17日 
Monday, June 17, 2013, 09:37 PM
飛行機が空港に降りてスポットに近づいた時、驚きの現象がありました。
地上勤務のマーシャラーと言うそうですが、飛行機を誘導する張本人、あるいはその側の人物かもしれませんが、ヘルメットをかぶったまま、飛行機に向かって深々と90度の礼をしたのです。

確かに近頃、JALのビデオに「礼」なんていう文字も見えますが、話が違うでしょう。乗客の安全を守ることが第一の人間たちは、挙手の礼、いわゆる敬礼をすべきであって、こっちを見ないで下をみるなんていうことは、何の「礼」にもなりません。いつも私が新幹線の車掌さんについて書くとおりです。

そう言えば、離陸の時も地上の職員がボウフレみたいな調子で送ってくれましたが、はき違えてはいけません。優しいこととけじめは違います。

こういう傾向は、すっかりこの国のあらゆるところに根付いてしまっているようで、困りものです。

世界的見地から色々なことを考える。 「東方からの見聞録」
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★6月16日 
Sunday, June 16, 2013, 10:12 PM
トルコに行ってきた友人の話では、イスタンブールの旧市街はどおってことない静けさとか。もちろん、そうだろうとは思うものの心配です。地元の青年がテレビで言っていたとおり、オリンピックなんてどうでもいいことです。
先進国に近くても、それくらい厳しい人間の営みがあることを日本の若者は知るべきです。
それは、自然現象ではなくて、人間が行っていることなるがゆえに始末が悪い。ま、今の状況も民主主義がもたらしたこと、と思うと、やはり民主主義の前提には相当な勉強が必要だなとつくづく思います。ケマル・アタチュルクがABCを噛んでふくめて教えてたような。

ところで、変なニュース。日本の刑事司法が中世と同じと言ったとか言わないとかで、日本の大使がシャラップと。
私に言わせれば、この博物館にあるように、日本の中世のシステムはよかった、今とは違う一種の陪審まであった。死刑も長いことなかった。ヨーロッパの中世の方が怖い刑とかが多かった、なんてことになるんですが、大使も何にも知らないし、今のシステムの「本質的」問題点には一向気がついていないので、まるっきり滅茶苦茶な議論。
本当に困ったことです。

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★6月6日 
Thursday, June 6, 2013, 11:55 PM
今日は宇都宮に行きました。この宇都宮、鎌倉にも故地がありますが、葉隠の佐賀とも大変近い関係にあります。
宇都宮氏が鎌倉時代に肥前周辺に下向したことから、今も多くの宇都宮さんがいるわけです。

宇都宮太郎大将もその一人です。陸軍のいわゆる佐賀閥でしょうが、荒木貞夫、真崎甚三郎両大将の庇護者。宇都宮大将の息子さんが宇都宮徳馬さん(自民党衆議院議員。私の恩師がその顧問)。そのまた従兄弟みたいな関係に5・15事件の三上卓さん。などなど。第二次大戦の頃、この人々は佐賀に集い、私の祖父もその一人でした。真崎甚三郎日記の主要登場人物です。

この人々を表す言葉に大アジア主義が。
いわゆる侵略とは反対の意味で、この主義がもう一度この人々の正当な評価とともに顧みられることが絶対に必要であると思っています。
その意味からは、その辺の本は全く役立たずで、自分が少しでも経験したことから膨らまして考えないと、とんでもない勘違いに陥ると思っています。

世界的見地から色々なことを考える 「東方からの見聞録」
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★6月5日 
Wednesday, June 5, 2013, 11:25 PM
心配していたトルコがちょっと困った状態に。
日本人だったらオリンピックができなくなっちゃうんじゃないか、なんてところに頭が行くかもですが、当地の人はそれどころではないでしょう。やはり日本は平和ボケです。

下のサイト「東方からの見聞録」にアタチュルク廟の写真を貼ってあります。

トルコ族は古くは突厥。日本と同じく元々姓はなく、トルコ語の並び方も日本と同じとか。

昭和初年に日本が影響を受けたケマルアタチュルクの改革が後退しないよう切に祈りたいと思います。

世界的見地から色々なことを考える 「東方からの見聞録」
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★6月4日 
Tuesday, June 4, 2013, 09:04 PM
世界を400回以上めぐり歩いたというKさんとの話は面白いものでした。
やはり視野が広いということは良いことです。

そして、深謀遠慮という言葉は大事でしょう。特に政治家には。

しかし、深謀遠慮のためには勉強が必要です。その勉強とは、何かの知識を仕入れるということではありません。何かを生み出すということです。
その方は、その昔、湯川秀樹博士にも会われたそうですが、湯川博士も正にそう言われていたそうです。

そこへいくと、最近の教育には創造性ということが相当欠けているような気がします。

世界的見地から色々なことを考える 「東方からの見聞録」
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